奨学金返済が厳しい?知っておくべき支援制度と対処法まとめ【延滞を防ぐポイントも解説】

奨学金延滞 支援制度と対処法 奨学金

皆さんこんにちは。奨学金1000万円を返済しながら奨学金ブログを運営している会社員獣医師のむーさんと申します。

10月になり、奨学金申請の準備を始める方、または返済が始まる方様々だと思います。奨学金についてSNS等でこのようなつぶやきを目にすることがあります。

新卒さん
新卒さん

奨学金返済が始まったんだけど、想定していたより給与が少なくて返済がしんどい・・・

新卒の方に限らず、多くの方が同じような状況に直面しています。しかし、奨学金の返済が厳しい時こそ、支援制度や対処法を知っておくことが非常に重要です。適切な支援制度を利用することで、無理なく返済を進めることができます。

奨学金の返済が滞ると、延滞金が発生するだけでなく、信用情報に悪影響を及ぼす可能性もあります。ですが、対応策を事前に知っていれば、返済に対するプレッシャーを軽減することができます。この記事では、奨学金返済がつらい時に知っておきたい支援制度と対処法について詳しく解説していきます。

この記事はこのような方におすすめです。

こんな方におすすめ
  • 奨学金返済に苦しんでいる方
  • 返済が始まる前に支援制度を知っておきたい方
  • 延滞を避けたい、もしくは既に延滞していて解決策を探している方
プロフィール
むーさん

奨学金1000万円の会社員獣医師。返済に苦しみ家計改善のためにFP3級を取得。自らの体験とFPの知識をもとに奨学金にまつわる情報や、返済しながら豊かに生きる知恵について発信している。

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奨学金を延滞するとどうなるの?

困る

奨学金の返済を延滞すると、さまざまな不利益が生じます。返済を怠ることで、金銭的な負担だけでなく、信用情報にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに対策を取ることが重要です。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を延滞すると具体的にどのようなことが起こるのか、解説していきます。

督促の電話がかかってくる

奨学金の返還を延滞している場合、督促の電話がかかってくることがあります。日本学生支援機構の職員のほか、業務委託先の債権回収会社等からも督促の電話がくる可能性がありますので注意しましょう。

延滞金が発生する

奨学金を延滞した場合、延滞金が発生することがあります。

以下の表に基づいて、自分がどの条件に該当するのか確認し、延滞金の発生を防ぐよう計画的な返済を心がけましょう。

第一種奨学金(無利息)の延滞金賦課率

平成17年3月以前に採用、かつ平成10年2月以前に貸与終了の場合

各返還期日から6か月を経過した日(以下「延滞金賦課日」という。)ごとに、その6か月で延滞している金額に対して、下記の割合を乗じた額が延滞金として課されます。

返還方法延滞金賦課日
(~平成26年3月31日)
延滞金賦課日
(平成26年4月1日~
令和2年3月31日)
延滞金賦課日
(令和2年4月1日~)
年1回払込用紙5%2.5%1.5%
返還方法延滞金賦課日
(~平成26年3月27日)
延滞金賦課日
(平成26年3月28日~
令和2年3月27日)
延滞金賦課日
(令和2年3月28日~)
口座振替5%2.5%1.5%
平成17年3月以前に採用、かつ平成10年3月以降に貸与終了の場合

各返還期日から6か月を経過した日(以下「延滞金賦課日」という。)ごとに、その6か月で延滞している金額に対して、下記の割合を乗じた額が延滞金として課されます。

延滞金賦課日
(~平成26年3月27日)
延滞金賦課日
(平成26年3月28日~令和2年3月27日)
延滞金賦課日
(令和2年3月28日~)
5%2.5%1.5%
平成17年4月以降に採用の場合

返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、延滞している金額に対して、下記の割合を乗じた額が延滞金として課されます。

延滞金賦課日
(~平成26年3月27日)
延滞金賦課日
(平成26年3月28日~令和2年3月27日)
延滞金賦課日
(令和2年3月28日~)
年(365日当たり)10%年(365日当たり)5%年(365日当たり)3%

第二種奨学金(利息付き)の延滞金賦課率

平成10年2月以前に貸与終了の場合

返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、延滞している金額(利息を除く)に対して、下記の割合を乗じた額が延滞金として課されます。

返還方法延滞金賦課日
(~平成26年3月31日)
延滞金賦課日
(平成26年4月1日~
令和2年3月31日)
延滞金賦課日
(令和2年4月1日~)
年1回払込用紙年(365日当たり)10%年(365日当たり)5%年(365日当たり)3%
返還方法延滞金賦課日
(~平成26年3月27日)
延滞金賦課日
(平成26年3月28日~
令和2年3月27日)
延滞金賦課日
(令和2年3月28日~)
口座振替年(365日当たり)10%年(365日当たり)5%年(365日当たり)3%
平成10年3月以降に貸与終了の場合

返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、延滞している金額(利息を除く)に対して、下記の割合を乗じた額が延滞金として課されます。

延滞金賦課日
(~平成26年3月27日)
延滞金賦課日
(平成26年3月28日~令和2年3月27日)
延滞金賦課日
(令和2年3月28日~)
年(365日当たり)10%年(365日当たり)5%年(365日当たり)3%

個人信用情報機関に延滞者として登録される

クレジットカード


「個人信用情報の取り扱いに関する同意書」を提出している方のうち下記に該当する方は個人信用情報機関に個人情報が登録されます。

現在返済中の方

延滞3か月以上の場合

新たに返還開始する方

返還開始後6か月経過時点で延滞3か月以上の場合

一般のローンでは、借用時に必ず登録されることになっていますが、日本学生支援機構の奨学金の場合は、貸与者全員ではなく、上記に該当する場合のみ登録されます。

個人信用情報機関に延滞者として登録された場合、金融機関等に「経済的信用が低い人物」と判断され、下記のような不利益を被る可能性があります。

  • クレジットカードの発行や利用ができない
  • 自動車ローンや住宅ローン等の各種ローンが組めない

機関保証制度を利用している場合は返済不要?

機関保証制度を利用していたとしても、自身での返済が必要です。

時々、「保証機関が代わりに返済してくれるから問題ない」と誤解されている方を見かけますが、これは間違いです。保証機関が一時的にあなたの代わりに返済しても、その後、保証機関からあなたへその返済分が請求されます。

機関保証制度を利用しているからといって、「奨学金の返還はしなくてもいい」といった誤った考えを持たないよう注意しましょう。

奨学金返済がつらいときに使える支援制度

奨学金の返済が経済的に厳しいと感じる場合は、無理に返済を続ける必要はありません。実は、奨学金の返済が困難なときに活用できる支援制度がいくつかあります。これらの制度を利用すれば、負担を軽減しながら返済を続けることが可能です。ここでは、奨学金返済がつらいときに利用可能な制度を紹介します。

1. 返還期限猶予制度の利用

返還期限猶予制度は、経済的な事情や災害、失業、病気などの理由で返済が困難になった場合に、一定期間返済を猶予してもらえる制度です。この期間中は、返済を一時的に停止することができます。

ただし、返還期限猶予制度は、一定期間返還期限を先送りする制度であり、奨学金の返還が免除されるわけではないため注意が必要です。

経済困難の場合の収入(所得)基準は給与所得者の場合は年間収入金額(税込) 300万円以下給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額(必要経費等控除後) 200万円以下の場合が申請事由に該当するとされています。

経済的困難以外にも、新卒、傷病、出産等申請可能なケースは複数存在しますので、返済を猶予してもらいたい場合は自分が申請事由に該当するか調べてみることが大切です。

2. 減額返還制度の利用

減額返還制度は、奨学金の月々の返済額を一時的に減額してもらうことができる制度です。返済総額は変わりませんが、月々の負担を減らすことで、家計に余裕を持たせることができます。

減額返還制度も新卒、経済的困難、失業中等の事由に該当する場合、申請が可能です。ちなみに、「失業中」事由は令和6年4月から追加されたようです。

経済困難の場合の収入(所得)基準は給与所得者の場合は年間収入金額が400万円以下(本人が扶養している子供の人数が2人の場合は500万円以下、3人以上の場合は600万円以下)給与以外の所得を含む場合は年間所得金額が300万円以下(本人が扶養している子供の人数が2人の場合は400万円以下、3人以上の場合は500万円以下)が申請事由の目安になっています。

3. 所得連動返還方式への変更

日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金では所得連動返還方式を選択することができます。
所得連動返還方式は、返済者の前年の所得に応じて月々の返済額が決まる制度です。収入が少ない時期には返済額が少なくなり、無理のない範囲で返済を続けることができます。

ただし、所得連動返還方式に変更した場合は、前述の減額返還制度は利用できません。また、所得連動返還方式に変更しても、変更後最初の10月までは、所得に連動した返還額にならないため注意が必要です。

企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度の活用

企業が社員に対して実施している貸与奨学金の返還額の一部または全額を支援する「代理返還制度」を導入している場合があります。この制度は、奨学金返済者の負担軽減を目的とするだけでなく、企業側が若手人材の確保や定着を狙う意図もあります。また、所得税や法人税、社会保険料など、税制上のメリットも企業にとって大きな魅力となっています。

もし奨学金の返済が苦しいと感じている場合は、手遅れになる前に、奨学金返還支援(代理返還)制度を導入している企業への転職を検討するのも一つの方法です。

奨学金返還支援(代理返還)制度を導入している企業は、JASSOのホームページから確認可能です。

奨学金延滞を防ぐための対処法

解決

奨学金の返済は計画的に行うことが大切ですが、返済が難しくなることもあります。延滞してしまうと、延滞金が発生し、信用情報に悪影響を与えるリスクもあるため、未然に防ぐための対策が重要です。以下の方法を取り入れながら、奨学金返済をスムーズに進めましょう。

1. 延滞しないために保有銀行口座を整理しておく

奨学金は「リレー口座」と呼ばれる奨学金返還口座から毎月引き落とされることになります。保有している銀行口座が多すぎると、リレー口座に十分な金額が入っているか把握しにくくなり、支払い漏れが発生しやすくなります。

延滞してしまうと、延滞金が加算されてさらに負担が増えるため、計画的に返済できるように保有銀行口座を減らして、管理しやすくしておくことをおすすめします。

リレー口座の設定については「リレー口座をネットバンクに変更しよう|変更方法を丁寧に解説」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

2. 無理なく返済できる予算を立てる

奨学金の返済が厳しい場合、まずは家計全体の見直しが必要です。毎月の収入と支出を見直すことで、どの程度返済に充てることができるのかを把握します。家計の見直しを行い、無理のない返済プランを立てることが、奨学金返済のストレスを軽減する重要なポイントです。

固定費の見直しについては下記の記事で解説しています。

通信費を見直す|【2024年最新】奨学金返済者必見!通信費を大幅削減できるおすすめ格安プラン4選
返済計画について知る|大学費用1000万円、奨学金を借りた場合の月々の返済額はいくら?

3. 助成金や給付金の活用

自治体や国の助成金や給付金も、活用できる可能性があります。奨学金返済に直接役立つものではないものの、生活費や教育費の負担軽減になる場合もあります。特に低所得世帯向けの給付金や、雇用保険などの支援制度を確認してみましょう。


まとめ

ライフステージの変化による出費や突発的な災害、失業等、様々な理由で奨学金の返済がつらい場面があると思います。しかし、奨学金を延滞することは絶対に避けるべきです。

奨学金を延滞してしまうと以下のような不利益を被る場合があります。

奨学金の延滞により被る可能性のある不利益
  • 督促の電話がかかってくる
  • 延滞金が発生する
  • 個人信用情報機関に延滞者として登録される

個人信用情報機関に延滞者として登録されてしまった場合、クレジットカードの審査で落ちてしまったり、各種ローンを利用できなくなる可能性があります。

延滞しそうになった場合は無理をせず、返還期限猶予制度や減額返還制度などの支援制度を利用することが重要です。これらの制度をうまく活用すれば、負担を軽減しながら返済を続けることが可能です。

また、返済用銀行口座の管理や家計の見直しは、延滞を避けるための有効な対策です。特に固定費は一度削減してしまえば長期的に生活が楽になっていきますので、通信費や自動車保険等の見直しは非常に効果的です。

返済が難しい場合は、早めに行動して適切な支援を受けるようにしてくださいね。

リレー口座を見直す|リレー口座をネットバンクに変更しよう|変更方法を丁寧に解説

通信費を見直す|【2024年最新】奨学金返済者必見!通信費を大幅削減できるおすすめ格安プラン4選

返済計画について知る|大学費用1000万円、奨学金を借りた場合の月々の返済額はいくら?

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